fish-buddha’s diary

主にtwitterで書くには長くなり過ぎる長文をこちらに書いています。

結局、学生は遊んだ方が良いのか、勉強した方が良いのか。

【「遊んでおけ」か「勉強しておけ」】

 学生から社会人に向けた定番の質問で「学生の内に何をしておくのが良いですか」というのがあるが、大体「遊んでおけ」か「勉強しておけ」のいずれかの答えが返ってくる。(前者には「旅行をしておけ」「恋愛しておけ」等を含む)

 ちょうど真反対の回答を貰ってしまうので、学生時代にはどっちやねん、と思ったのだが、今30を過ぎて何故答えが割れていたかと、それぞれの意味が見えてきた所もあり、その内容をここで書きたいと思う。

 

【聞く相手の年齢で答えが変わる】

 自分が20代の頃、この質問を受けた場合には大体「遊んでおけ」の回答をしていた。社会人になると忙しくなって暇が取れなくなるし、時間と金と体力とが揃うのは大学生の内だけだからだ。ただ、今になって同じ質問を受けたら恐らく「勉強しておけ」と回答する。何故かと言えば、30代を過ぎてサラリーマンとして見えて来る景色が変わったからだ。そして過去の記憶を辿ると、確かに「遊んでおけ」と答えてきたのは若い社会人で、「勉強しておけ」と答えてきたのはある程度年の行った社会人だった。要は年齢で答えが変わっていた。

 

【何故30代に入ると「勉強しておけ」になるのか】

 「遊んでおけ」の理由については上段に書いた通りで、それは普遍的な真実であるが、では何故30代になると「勉強しておけ」になるのか。それは恐らくサラリーマンとしての人事フローに関係している。具体的には駆け出しのサラリーマンの多くは所謂「現場」に配属をされ、ここでは所謂OJT(働きながら学ぶこと)は要求されるし、最低限度の資格試験等は取らされるが、一方でそれ以上の体系的な学習に基づく知識というものを要求されることは稀であるように思う。

 一方で、20代で現場を回すと30前後で本部に呼ばれたり、あるいは転職をしたりといった機会が出てくるし、私個人もそれを経験した。すると、ここでは要求されるスキルの色合いが変わってくるのだ。一番想像しやすいのは経理・法務・労務辺りで、この辺は専門知識が一定量ないとそもそも全く話にならないことは想像に難くないと思われる。実際には、専門知識の要求がある職種はそれにとどまらない。

 

【勉強していない人間にできる仕事が絞られていく】

 例えば購買の仕事でも、内容としては契約内容をギリギリと詰める作業が入り、ここには民法の知識はマストだ。不動産であれば宅建を取得しなければならず、これも法律。事業管理や企画系だと事業計画を引いたり審査するのは会計/税務知識がマストだ。海外関連部署で有れば語学、技術職であれば専門領域の知識があるのが前提になってしまう。そして世間全体の動きとして、外注・自動化が進み、単純作業が消滅したり外に出た結果、専門知識のない人間に出来る仕事がどんどん狭まっていく傾向があり、これは今後加速しても交代することは考えにくい。

 要は最初の配属から異動する過程で、勉強していないと拙い事を肌で感じ始めた結果、「勉強しておけ」になるワケだ。

 

【多分両方できる】

 繰返し書いてきた通り、「遊んでおけ」も一定の真実はあり、学生時代に遊べなかった過去を取り返そうとして年が行ってから道を踏み外す人間もいる。別に「勉強しておけ」は=勉強以外何もするな、ではない。「遊んでおけ」と「勉強しておけ」は普通に両立する。多くのやってる人間は分かっているだろうが、一日1時間でもとにかく継続することにパワーがあり、4年間毎日2時間もやれば相当な物になる。そしてそれをやっても一日は残り22時間もあるので、バイトして遊びに行って恋愛をすればよい。結局この手の話は全部この落ちになるのだが、「バランスよく考えてやれ」というのが答えなんだと思う。