fish-buddha’s diary

主にtwitterで書くには長くなり過ぎる長文をこちらに書いています。

本当に「辛かったら辞めた方が良い」のか

【辛かったら辞めていいんだよ vs 誰も責任は取ってくれない】

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Twitterをやっていると「辛かったら辞めていいんだよ」と「辞めた後の責任は誰も取ってくれないぞ」が交互に流れてくることがよくあり、認知が崩壊してくるのだが、これはそれぞれ異なる前提で言いっぱなしになっている為と思われる。

 

 確かに、「これ以上続けたら死んでしまう」状態なら今すぐに辞めるのが正解だろうし、別に全然平気な状態で辞める事は本人にも損失なのだろうが、結局この辺の議論が整理されていないので、それぞれ言葉だけが空中戦をしている。今日はここを自分なりにまとめてみたい。尚、以下は主に新卒や第二新卒の若年層を想定しているので、それ以外は多分この限りではない。後めっちゃ生存バイアスかかった個人的な見解なので300歩引いて読んで欲しい。

 

【新卒短期離職のダメージは本人が思うよりデカい】

 新卒の短期離職は多分本人が思っているよりその後の人生に与えるダメージがデカい。転職して役立つレベルのスキルが身に付くのは基本的に3年目以降であり、それまでに辞めた場合その経験を今後のキャリアで活かすのは難しい。転職が普通の世の中とは言え、それはスキルがある前提であって、ノースキルの人間にノースキルの仕事しかない現実は昔から変わっていない。日本固有の新卒採用はノースキルの学生に人生で一度だけキャリアの入口を開けてくれる制度だが、短期離職した場合、結構な確率でスキルにアクセスする機会は永遠に失われる。ノースキル向けの第二新卒があると言っても、10年で年収8桁を目指せる様な企業がやっているイメージは無い。

 

【歯を食い縛って耐えるメリット】

 個人的な経験で恐縮だが、今仕事で使っているスキルが身に付いたのは何時かと問われれば、人生で一番仕事が辛かった時期だ。お陰で今は当時の1/100くらいの苦労で労働として認めて貰えているし(別に今後続くかは分からないのだが)、少なくともそれを手土産にして希望企業への転職はできた。そこでの業務は何とか一年半堪えたのだが、それが例えば半年で折れていれば今の転職はできていないので、耐えて良かったかと問われれば(今日時点では)間違いなく良かった。辛い環境を耐えて抜けられると、以後ちょっとやそっとの仕事では辛さを感じない体になるの一般的な話と思う。正直、新卒に関して言えば、余程の事(反社とか)がない限りは3年は我慢するメリットが勝つ気がする。

 

【本当に辞めた方が良い場合】

 一方で本当に辞めた方が良いと思われるケースを以下書いてみる。

・年齢関係なく待遇が悪い上に、続けても何も身に付かず転職にも繋がらない。

鬱病や事故でリタイアしている人間が溢れている

・辞めた先の人生ロードマップが綺麗に描けて、それが現職に留まるより良い。

 ただこの判断は多分かなり慎重にした方が良い。例えば足元で単純作業をやらされてるとしても、そもそもJTCは一年二年雑用だけやらせて、スキルの身に付く本業がそれ以降である例が割と多く、この期間に辞めるとピザの耳だけ食って捨てるレベルで馬鹿を見ることになる。また「辞めたい」と頭から思い込んでしまうと、以後判断に辞める方向でバイアスが掛ってしまうので、多分正常な判断ができなくなる。リスクを理由に辞めるなら離職率や休職率等の客観的な数字を見た方が良い。上2つに当てはまらない場合で本当に辞めた方が良いのは最後のケースくらいだと思う。

 

【辞めた先の人生ロードマップが綺麗に描けて、それが現職に留まるより良い】

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 具体的にどんなケースか。働いてみる事で今まで見えなかった自分の特性が見える事があると思う。例えば営業が向いていると思って営業マンとして就職したが、実際やってみると営業はてんで駄目な一方、ちょっと齧った企画職が上手くいった、みたいなケース。当社が営業ばっかりで企画職としてのキャリアが見込めず、かつ企画職が強い企業に内定が取れたりしたなら、乗り換える事で人生が好転することもあるかもしれない。尤も、これも相当慎重に判断すべきなのは間違いなく、実際にやるなら信頼できる第三者に相談して同意を得ることができ、かつ退職は内定を取れた後にすべきとは思う。

 

【3年経ったら少し柔軟になっても良いかも】

 転職で成長速度が上がる(継続在職でスピードが鈍る)側面があるのはその通りなので、最低限度身に着ける物を拾った後に辞めるのは、上記の通り転職後のイメージが出来ているならアリだと思う。今日日3年やっていれば短期離職と言う奴はあまりいないだろうし、まして前向きな理由で転職するなら尚の事。3年が1つのメルクマールなのは昔から変わっていない気がする。

 

【まとめ】

・新卒短期離職は余程の事が無ければ止める(続ける)メリットが勝つ。

・それでも辞めるなら、リスクリターンを客観的に判断して後にすべき。

・辞めて(現実的な)他に行く場合と、続けたをシミュレーションしてみる

 

こんな感じじゃないかしら