fish-buddha’s diary

主にtwitterで書くには長くなり過ぎる長文をこちらに書いています。

事業会社の窓口から見た銀行員の話

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営業時代、「自分、お客からどう思われてるんだろ」ということは常に気になっていたが、時は流れて、まさか事業会社に転職した自分が窓口として交渉テーブルの反対側に回ることになるとは思わなかった。世の中因果な物である。

 

※以下のエピソード自体はフェイクです。

 

A行さんとB行さんの二行にPJ資金調達について相談した。

前提条件が複雑で営業限りで対応しきれるかやや微妙な案件だった

 

A行は早速本部を連れて10人くらいの大名行列でやってきた。担当さんは少しだけ喋って後は本部担当の独演会。40Pくらいのペーパーを置いて意気揚々と帰って行った。資料をよくよく読んでみると、まぁイマイチなスキームでPJに全然ハマっていなかった。その後、こちらの前提条件を何度か伝えてみたのだが、「分かりました!」と返事は良い物の、結局出てくるのは端っこを少し変えただけのイマイチなスキームで、これ以上話しても仕方ないなと思ったので以後適当に流している。

 

B行にも相談したら最初本部を連れて5人くらいでやってきたのだが、こちらの担当さんは3回目くらいの打ち合わせで「これ、営業部が主体で動いた方が良いですね」と言って本部を引っ込めてしまった。その後、本部の当該部署は打ち合わせには出ないものの、貴重な資料と共に「何でも言って下さい」と有難い連絡が来た。窓口は担当さんになって「どうしたら中で通しやすいですか?」とこちらで社内決裁があることを念頭に案件を勧めてくれている。

 

本件、元銀行員であれば察しがつくのだが本部が絡んだ方がずっと手数料が入る。多分A行の担当は帰店してして案件の報告をした瞬間に「本部連れてけ!」と号令がかかり、そこから思考停止して本部に丸投げしてしまった。本部は本部で自部の商品を売れないと収益にならないので、ハマってないなと思っても多分その説明しかできずどん詰まりになっている。

 

B行も収益構造は同じだが、多分担当は当然ライバル行にも相談が行っていることを考えて目先の収益は捨てて案件を取りに来た。その判断は正しく本件は先行案件で後に桁一つ増えた後続案件が続いている。少なくとも幹事は本件で頭になっていただいた所にお願いすることになると思う。勘が良いのかよく考えているのか、両方なのか。

 

以下、やってて気付いた事

・話を聞いていない、聞いているがまともに対応しないのは想像以上に印象が悪い

・営業サイドの思惑はほぼ筒抜け

・手数料0.1%の差はどうでも良い。相手目線の有無の方が遙かに大きい。

・自分で考えて動ける担当に相談したい。お店の都合は悪いけど考慮できない。

・自部署の利益でなく、全行での最大利益化を考えると多分顧客利益と一致する

 

当時の自分がどう思われていたかはあまり想像したくない。