fish-buddha’s diary

主にtwitterで書くには長くなり過ぎる長文をこちらに書いています。

板橋の会について

(画像はネットで適当に拾ってきたイメージですが大体こんな感じです)

 

2019年10月、最大風速55m、中心気圧890hpにもなり、昭和54年台風第20号以来、40年ぶりに死者100人を越えた台風となったヤバい台風が来たんですよ。台風19号って言うんですけど。

 

で、これはもう直撃すると関東が水没するとか言われててヤバいなって空気は出てたんですね。そこでこうツイートしました。

 

「台風が来て危ないんで酒飲みませんか?」

 

そしたらなんか2人来ちゃった。

で、仕方ないので暴風雨が吹き荒れる中、本当に板橋の赤提灯で3人で飲んだんですけど、めっちゃ風吹いてるし連帯感高まって、その日は何とか帰れたんですが、それからもよく分かんないけど板橋で飲み始めたんですね。気が付いたら毎週飲んでた。

 

折角だし広げるかと思って、「板橋の会」ってGDM作って

「限界独身中年男性来て下さい」

ってツイートに反応あった人をひたすら呼んで飲んでったんですね。

そしたら30人くらいのGDMが出来た。今もちょっと飲みに行きたい日に「明日行きません?」と投げると反応が貰えて飲みに行けたりしています。実稼働は15~20人くらいかな。コロナで一時中断しましたが今復活して来て大体35人います。何回飲んだかもうよく分かりませんが、とりあえず目的なく飲むか風呂か旅行します。

 

「中年男性」としか言ってないので特に特定の属性の人を集めた事は一切無いんですが、結果的に多様な人材が集まっており、私が認識してるだけですが、弁護士2名、博士号1名、医師1名、体重130kg超2名、地主2名、データサイエンティスト3名、酒飲み過ぎて手が震えてる人1名、社長2名、仕事が嫌過ぎて携帯置いてフェリーで沖縄まで逃げた人1名、他多様な人材にお越しいただきました。年齢は30代から40代前半くらいでお願いしてます。あんま若いと多分楽しくないです。逆に年功序列もしないので年行ってるから気を使われる事もありません。尚、個人情報(実名・勤務先・詳細な住所その他)は原則としてクローズです。自己開示は可能ですが人に聞くのは出禁です。ただ会話に必要な範囲で職種とかざっくりの住所とかは聞かれたら可能な範囲で教えて下さい。

 

基本的に利害関係が何もない集まりなので、来ても得る物は無いです。飲んで帰るだけ。ただ結構な割合で専門家がいるので何か相談すると意外と強力なアドバイスがもらえたりします。それ目的にしてる人は今の所いませんが。

 

基本的には板橋で飲んでるんですが、先日はちょっと足を延ばして銀座に行ったり、たまにスーパー銭湯に行って飲んだりもします。旅行も3回くらいやりました。会計は4000円行かない店で飲みます。

 

ルール的な物は特に無いんですが、以下暗黙の了解です。

・個人情報は本人から開示があった物以外聞かない。

・会計は綺麗に割り勘する。相手が年収5000万でも綺麗に割る。

・遠慮/気遣い禁止。注がない。好きなら全部食ってまた頼む。

・女性は原則不可ですが、男女比35:1の中でおっさんを誰も遠慮させないレベルなら可

・ノンアル可です。皆健康診断を気にして結構飲みません。

 

以上。後は初対面同士になることが多いですけど楽しくやってくれたらそれでOKです。ご興味あったら声かけて下さい。今週土曜もやります。

「銀行が取引先の経営改善」は現実的か

 本件については、金融機関から事業会社に移った立場として、非常に興味を持っており、以前、下記の記事で若干触れた内容であるが、かつて金融庁が旗振りを行い、(多分)今は実現していない「銀行による(主に中小企業の)経営改善」について、少し深堀してみたいと思い、はてブすることにした。

捨てられた「捨てられる銀行」 - fish-buddha’s diary

 

【中小企業の改善余地は多い】

 私自身が元銀行員として中小企業も多く担当した経験を踏まえて言うのであれば、中小企業は大企業と比較した時に多くの改善余地を残していることが多い。例えば経営者の方がたたき上げのサラリーマンや経営の専門家である大企業に対して、中小(=ほとんどがオーナー)企業の社長は世襲であるのでどうしても大企業の様な高度人材ではなく、悪く言えば親から引き継いだものをただそのまま漫然とやっている方は多くいた。そうした方々は、事業に関してはずっとやっていてプロではあっても経営や会計の知識を欠く事も多く、何か能動的に情報を取りに行って物事を改善するという能力は無かったりした。

 

【銀行は多分一番近い位置にはいる】

 以前の記事でも書いたが、「誰がそんなことをするのか」と問われた時に一番実現可能性が高い位置にいるのが銀行であるという事実はあると思われる。理由は下記。

①:高度人材がいる

②:実現に必要な資金を手当てできる

③:広く企業にアクセスできる。地域にネットワークがある

 例えばその辺のコンサルだと①はあっても②や③がないし、自治体だと①や②を欠く。相互定型の様な形で自治体・金融機関・コンサルが共同事業をする様な形もあるが、そんなに上手くは行っていない様に思える。銀行は一気通貫でこれを全部持っている。

 

【何故「銀行による経営改善」が実現していないのか】

 こちらの理由としては以下が考えられる。

①:ペイしない

②:銀行に人材がいない

③:【中小企業の改善余地は多い】が伝わっていない

以下個別の内容を掘っていきたい

 

【①ペイしない】

 至極単純な話だが、製造原価100億円の大企業で原価を1%削減できれば1億円出て来るが、1,000万円を1%削減できた所で10万円しか出てこない。(売上増も然り)銀行員の高い人工を考えればこのような事をした所で全く割に合わない。銀行は現状取引先から資金を回収する方法が貸付金の金利が基本でその他は若干の手数料程度となる。前者の場合、制度上事業と完全に紐づける事は出来ないので、必死になって改善を実施して、必要資金は他行で調達される、様な事は普通に起きてしまう。

 

【②人材がいない】

 前項で書いた内容と2行で矛盾しているが、少し解像度を上げると銀行員の殆どは事業会社での勤務経験が無い。だからどうやって物事が進んでいるか、どんな意思決定がされているかを知らないし、事業そのものを構想したり運営した経験がない。どちらかと言うとどうしてもルーティンワークが多い。勿論彼らは高学歴で頭も良いから、場と金を準備して訓練すればそういう人材にはなるが、それを育てる仕組みも無い。優秀な方の本部人員なら素で出来るかもしれないが、そんな人材は営業店に来ない。

 

【③【中小企業の改善余地は多い】が伝わっていない】

 中小企業のオーナーは自分の守ってきた領域に関してはプロであるし、ちゃんとプライドも持っている。そこに事業に関して素人である銀行員がやってきてペラペラ調子が良い事を言われても「な~に言ってんだ」というのが彼らとしての正直な気持ちになる。勿論しっかりと中に入ってFSを実施、定量的に効果を説明できれば話は別だろうが、現状その様な事ができる仕組みがない。

 

 

【多分もうやるしかない】

 では、今後も現状は変わることは無いのかというと、これは変わらざるを得ないのであはないかと思われる。

地方銀行「本業利益」ランキング | 特集 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

上記記事にもあるが、今や地方銀行は1/3が赤字。しかもこれはコロナ対応の所謂ゼロゼロ融資によるドーピングを受けてこの数字、そして今後ゼロゼロ融資の返済が始まるとそこら中でせき止められていたコロナ倒産が来る。今は運用で食っている状態で、これは市況が変われば吹っ飛んでしまう。銀行のかつてのメイン業務である融資「貸せば返ってくる金を貸す」が儲かった時代は終わりつつあるのだと思う。多分「貸しても返ってくるか分からん金を貸すリスクを取る代わりに儲ける」仕組を作るしかない所まで来ている。

 

【動き始めた仕組みと今後】

 以前の記事でも触れたが、恐らく高リスク資金の回収はdebtでは構造上無理なのでequityでやるしかない。そしてそのルールに関しては直近規制緩和があった。

銀行法及び独占禁止法改正による5%ルールの例外措置拡充について | 森・濱田松本法律事務所

 

そして動くところは既に動き始めている。

三菱UFJ銀、融資先企業への投資事業を開始へ…4月にも専門部署 : 読売新聞オンライン

 

 勿論、全ての取引先に対してこうした手法が通用する筈も無く、実際に有用な所は限られると思われる。ただそうし先に対してはあらゆる手段を総動員して強引に業績を叩き上げて、一気に回収する手法がとられる、というかそれしか成立しなくなるのではないか。

 

【具体的な方法論】

 最後に、「改善」てなんだよ。という話について、事業会社に来て勉強した方法論を一つ書いて終わりたい。基本的には「理想の姿」を現状及び未来に向かうロードマップとして構想して、それに対して「現状」をぶつける。その間に存在する差異を埋める方法があるのかないのか、あったとして、それはペイするのかを個別に検証していく(FS)、という方法である。これは割と色んな所で再現性があるので、恐らく中小企業でも適用できる。実践した結果はまぁ大体が「実現性なし」となるのだが、たまに成立してこのアプローチで検証した物はやれば実現する。この辺はまた個別にはてブしてもよいかもしれない。

銀行員のスキルは転職後に役立つか

【ここまでのあらすじ】

 先日、銀行員の転職について、という少々バクっとしたテーマではてブさせていただいた所意外と伸びてしまい、後になってからもう少しテーマを練った方が良かったかなと若干後悔した。

 

また折角書くのであれば、なるべくN=1の体験談のみではなく、他の辞め銀の方にお話を伺った後にまとめたく、有志を募りヒアリングを行った。(後述のアンケートも実施)

 結果、自分が何となく感じていた事が辞め銀に共通の認識であった事が確認でき、また新しい気付きや言語化も出来たので、それらを取りまとめ「銀行員のスキルは転職後に役立つか」というよりフォーカスしたテーマで再度はてブすることとしたい。尚、例によって外でそのまま売れる様なスキル(=スペシャリティ)をお持ちの方は当該記事では対象外となるので、ご承知おきいただきたい。

 

【結論】

 標題の答えについて、こちらのアンケートがほぼそのまま答えになっていると思われる。

Q.辞め銀転職者の方にお伺いします。銀行で得たスキルが転職後

閲覧用を除く有効票約80票の内訳は以下の通り。

 

①:コア業務で直接役に立っている     14票(18%)

②:直接ではないが側面的に役立っている  41票(51%)

③:全く~あまり役に立っていない      25票(31%)

 

この結果を見る時に注意しなければならないのが、本件では「再度銀行に横滑りして同じ業務をやっている方」「先述のスペシャリティを持っている方」を母数から除外できていない。これらの方は当然①を選択したことが想定され、その割合が2割を大きく下回るとは考えにくい。一方で、銀行員には短期離職者も多くその割合としては、離職者全体の3割と言われれば肌感覚と概ね一致する。その方々の多くが③を選択されたと仮定して、以下の様な結論を推定した。

 

スペシャリティを持たずに異業種に転職した場合、銀行での汎用スキルが業務でそのまま使える事は殆ど無いが、習熟度が一定以上の場合側面的には何かしらの役に立つ

 

これは個人的な肌感覚でも正しく、スペースにいらした方の中でも概ね共通見解だった様に思われる。

 

【ポテンシャル>>>銀行業務】

 転職活動時、私は銀行への横滑りと異業種転職の両方を受けていたのだが、実際今振り返ると、後者の面接等では銀行員としての汎用スキルについても話した結果のウケが悪かった、というか大体スルーされていた事が思い出される。実際現職へもそれとは異なる話がウケて入社することになったし、当時話した中身を思い出すと大体がスキルというよりポテンシャルについて話して内定を取った様に思う。これは採用後に分かった事で、実際中途採用に際しては何か特定のテーマを持って採用することが多いのだが「当該テーマの業務を終えた後に社内で腐らないか」ということは非常に気にされるので、業務習得等のポテンシャルは非常に重要なのだ。

 

【「決算を読める、ファイナンスが分かる」は採用理由にならない】

 転職して様々な業務に触れて分かった事だが、銀行員の「決算書を読める」は多分読める内に入らない。詳しくここで書く事はしないが、銀行員が出来るのは決算書を使って可能な極めて広い業務領域のほんの一部に過ぎない。またファイナンス一般の理解にしても、中小企業向けと大企業向けは全く違うし、最近流行のPFやSFは一般の融資業務の延長には無い。デリバに足を突っ込んだ瞬間に大抵の銀行員は歯が立たないだろうし、更にそれらのバックにある税務や会計処理に手が出るとも思われない。大企業であれば所謂「銀行窓口」はもっと立派な経歴の人間(例えば会計士)等が担当しており、ちょっと銀行で融資してたくらいで歯が立つような世界では無かった。はっきり言ってしまうとその辺は役には立たないのだ。

 

【営業は即戦力。その他側面知識としては採用後に役に立つ。】

 スキルそのものを押し出すのであれば、無形営業としての能力はそのまま即は売物になるので、スキルで戦うなら基本的にはここになると思われる。上述したファイナンスや事業の知識は、側面的にはこれらの知識も役に立つ。業務に携わりながら「それはですね」と言って知識や経験を蔵出しする場面は多かったし、それで重宝して貰えたとも思う。ただ上記の通り、中途採用はテーマをもって行いそれをクリアするかどうかで判断されるので、採用の場面においては2者択一になった場面で少々役に立つか程度が関の山かなというのが正直な所だ。

 

【「ポテンシャル」の正体】

 では、30くらいまでの銀行員にとって転職で強みとなる「ポテンシャル」とはそもそも何なのか。スペースで出た話題も含めてピックアップし、重要と思われる順に並べてみた。

①:継続的な自己啓発が習慣となっている点

②:数字への拘り。営業してのマインドセット。自責性。

③:ヒアリング能力。

④:計数観念

⑤:打たれ強さ。長時間労働やストレス耐性。

 

①は若くして転職する場合、転職先の業務や知識を習得し、継続学習するのが前提となるので、非常に重要な点であり、銀行員が転職できる理由の太宗を占める様に思われる

②は転職先で主に営業のマインドの低さに驚く銀行員も多い。これは20代で身に付けないと多分一生身に着ける事ができない。

③は営業をやっていければ身に付く能力で、対外・対内あらゆる点で使う。

④は事業として「筋の良し悪し」やビジネスとしての成否を見る力がある点。

⑤は、事実あるがあまりこれを押す所に行きたくはない…

 

【銀行員の転職戦略とその後】

 多分30前後の転職銀行員はステータスは高い。でも技が無い。そこで、どうすれば良いのか。基本的には

銀行で30くらいまでに鍛えたポテンシャルをもって、無形営業のスキル等を引っかけて転職し、転職先の仕事をしっかりと覚えて活躍する

ということになるんだと思う。早期退職や逆に35を過ぎての異業種転職等が上手くない理由について、言語化を試みるとすると、こういうことになるのではないだろうか。もう新しい事は勉強したくないな、と思うのであれば多分動かない方が良い。

結局、学生は遊んだ方が良いのか、勉強した方が良いのか。

【「遊んでおけ」か「勉強しておけ」】

 学生から社会人に向けた定番の質問で「学生の内に何をしておくのが良いですか」というのがあるが、大体「遊んでおけ」か「勉強しておけ」のいずれかの答えが返ってくる。(前者には「旅行をしておけ」「恋愛しておけ」等を含む)

 ちょうど真反対の回答を貰ってしまうので、学生時代にはどっちやねん、と思ったのだが、今30を過ぎて何故答えが割れていたかと、それぞれの意味が見えてきた所もあり、その内容をここで書きたいと思う。

 

【聞く相手の年齢で答えが変わる】

 自分が20代の頃、この質問を受けた場合には大体「遊んでおけ」の回答をしていた。社会人になると忙しくなって暇が取れなくなるし、時間と金と体力とが揃うのは大学生の内だけだからだ。ただ、今になって同じ質問を受けたら恐らく「勉強しておけ」と回答する。何故かと言えば、30代を過ぎてサラリーマンとして見えて来る景色が変わったからだ。そして過去の記憶を辿ると、確かに「遊んでおけ」と答えてきたのは若い社会人で、「勉強しておけ」と答えてきたのはある程度年の行った社会人だった。要は年齢で答えが変わっていた。

 

【何故30代に入ると「勉強しておけ」になるのか】

 「遊んでおけ」の理由については上段に書いた通りで、それは普遍的な真実であるが、では何故30代になると「勉強しておけ」になるのか。それは恐らくサラリーマンとしての人事フローに関係している。具体的には駆け出しのサラリーマンの多くは所謂「現場」に配属をされ、ここでは所謂OJT(働きながら学ぶこと)は要求されるし、最低限度の資格試験等は取らされるが、一方でそれ以上の体系的な学習に基づく知識というものを要求されることは稀であるように思う。

 一方で、20代で現場を回すと30前後で本部に呼ばれたり、あるいは転職をしたりといった機会が出てくるし、私個人もそれを経験した。すると、ここでは要求されるスキルの色合いが変わってくるのだ。一番想像しやすいのは経理・法務・労務辺りで、この辺は専門知識が一定量ないとそもそも全く話にならないことは想像に難くないと思われる。実際には、専門知識の要求がある職種はそれにとどまらない。

 

【勉強していない人間にできる仕事が絞られていく】

 例えば購買の仕事でも、内容としては契約内容をギリギリと詰める作業が入り、ここには民法の知識はマストだ。不動産であれば宅建を取得しなければならず、これも法律。事業管理や企画系だと事業計画を引いたり審査するのは会計/税務知識がマストだ。海外関連部署で有れば語学、技術職であれば専門領域の知識があるのが前提になってしまう。そして世間全体の動きとして、外注・自動化が進み、単純作業が消滅したり外に出た結果、専門知識のない人間に出来る仕事がどんどん狭まっていく傾向があり、これは今後加速しても交代することは考えにくい。

 要は最初の配属から異動する過程で、勉強していないと拙い事を肌で感じ始めた結果、「勉強しておけ」になるワケだ。

 

【多分両方できる】

 繰返し書いてきた通り、「遊んでおけ」も一定の真実はあり、学生時代に遊べなかった過去を取り返そうとして年が行ってから道を踏み外す人間もいる。別に「勉強しておけ」は=勉強以外何もするな、ではない。「遊んでおけ」と「勉強しておけ」は普通に両立する。多くのやってる人間は分かっているだろうが、一日1時間でもとにかく継続することにパワーがあり、4年間毎日2時間もやれば相当な物になる。そしてそれをやっても一日は残り22時間もあるので、バイトして遊びに行って恋愛をすればよい。結局この手の話は全部この落ちになるのだが、「バランスよく考えてやれ」というのが答えなんだと思う。

銀行員にとっての転職

 

【「とにかく転職」は死】

 始めに断っておくと、この記事は転職会社の提灯記事よろしくやたら銀行員の転職を称揚しようというものではない。(後述するが特に3年目までの転職には反対)これは銀行員に限った話ではないが、転職には良し悪しがある。

 例えば、所謂JTCでは転職者は一定の職位までは上がれても、部長級やその上の役職を目指すのは難しいことも多い。トップがプロパーでない、というのは社員の士気を考えても中々無理のあることだし、数十年に渡って一社で過ごすことで、社内に網の目の様に張る人脈は転職者にはとても得難い。

 勿論、転職して希望の待遇を手に入れるだとか、既存のスキルセットとのシナジーを発揮するだとか、良い側面もあるので一概にどうとは言わないが、いずれせによ本人の状況を鑑みずいたずらに転職を薦めてくる輩がいるなら距離を置いた方が良いとは思う。

 以上踏まえて、可能な限りフラットな目線で銀行員にとっての転職について考えてみたい。(尚、以下の内容については、支店勤務を中心に汎用のスキルを積み上げるケースを想定しており、本店等でそのまま売物になるスキル(ex.コンプラ・金融システム)を手に入れた場合はもうウッハウハなので、この限りではない

 

【銀行員の転職結果】

 Twitterでは金融アカウントとして長く活動した為、当時のFFは大半が金融関係者となり、その中でかなりの数が転職し、またその後の人生についても追いかけることとなった。正確な統計があるワケでは無いが、体感としては殆どのケースで転職は成功しており、大半の転職者は自らの希望する待遇を得て満足して転職後の仕事を続けている様に見受けられる(生存者バイアスもあるが)。

 考えつく理由として、銀行は営業に始まり、会計、運用の様なハードスキルに加え、厳しい上下関係や継続的な自己啓発等、サラリマンとしてのソフトスキル?も多く身につける事ができる環境が挙げられる。この為、一定期間銀行員を続いたのであれば、サラリマンとしての最低限以上の素養が身についており、転職後に所謂足切りに引っかかる様な辞め方をする人間はあまり見なかった。

 

【銀行員の転職適齢期】

 が、全ての銀行員が何時でも辞めて上手く行くかというとそうでもない。特に良くないのが短期離職者。銀行員を続けられるか否かには、社会人適性を持っているか否かの一つのリトマス試験紙的な意味がある様に思われ、一定期間を保たずして辞める様な人間については、その後も行方不明になっているケースが多い。その様な状況であればまずは3年続ける事を強く勧めたい。

 前段と合わせて銀行員に限った話でもないが、もし仮に辞める選択肢を採るのであれば、「適齢期」の様な物は存在する様にも思う。体感としては5年~10年目くらいの間で、それを過ぎてしまうと年齢的な要素に加え、銀行固有の事情もあって特に異業種には移りにくくなるのは事実と思われる

 

【銀行員のスキルセット】

 上段でも一部触れたが、銀行員としての汎用的なスキルセットは、多くの場面で活用可能できることは間違いない。特に営業/交渉力については年が行ってから身につける事が難しく、転職先に営業経験のある人間が少なければ強みになる事が予想される。数字周りが強い事・様々なビジネスモデル触れている事も中長期の目線で見れば武器になる機会が多い。

 この様に、銀行員としての汎用スキルセットは転職の場面において有用…有用ではあるが、採用の決め手にはなり難いかもしれない。即ち「決算が読めるの!いいね」とは言われるが、「決算が読めるのか!じゃあ採用しよう」とはなるかと言われればやや微妙だ。(勿論、転職先が同業(銀行)であればこの限りではない。)

 

【営業店で得にくい経験】

 個人的な感覚で一般的な銀行員を例えるなら、筋骨隆々たる鍛えられた企業戦士であることが多いと思う。ここでいう所の「筋骨」とは勿論物理ではなく、厳しい長時間労働やストレス耐性、営業としてのマインドセット等で、それはある種のポテンシャルとして非常な強味であるのだが、どうしても営業店で「一芸」や「華々しい戦果」の様な経験を積むことは難しい様に思う。ここで私が転職活動時に相談した、某敏腕人材エージェントから言われた一般的な銀行員の自己アピールに関する講評を転載したい。

 「銀行員に『サラリーマンとして一番創意工夫して成果を挙げた経験』を聞くと、金太郎飴みたいに大体同じ話が出て来るんですよ。『事務を工夫して外回りの時間を増やしました』とか『審査部に粘り強く説明して大口の審査を通しました」とか、それ銀行から出たら創意工夫とは言わないんですよ」

 

【ポテンシャルと目に見えやすい成果】

 これは自分自身の前職での業務を振り返ってであるが、営業店での業務はどうしてもルーティンが中心になり、例えば何か特定のプロジェクトについて自分主導でリサーチ・計画して進める様な経験を積める機会というのは少なかった(無かった)。結果、業界の外に出て響く様な話をしようとすると、相当の創意工夫と強引にでもそれを実現する胆力が必要になってしまう。知る限りそこまでの事が出来る個人というのは多くは無い。

 異業種では業種によるが、相応の年でこの辺の経験を積めてしまうものがある。PMになれば小さいPJでも自らマネジメントして成功させる様な経験をされてしまうし、各事業会社では30にもなると当該業界について一通りの知識を他で活かせるレベルで習得してしまう。ポテンシャルでは勝っていても、上述の様なキャッチーな経験のしづらさや成果の上げづらさがあり、「年相応に求められる目に見える成果」というものが辛くなってきた所で、ポテンシャルには特性上どうしても賞味期限があり、相対的に辛くなる事は想定される

 

【そもそも銀行を辞める必要があるのか】

 ここからは月並みというか一般的な話になるが、多少昇進の門戸が狭まったくらいであれば世間的に見ても銀行員の待遇(給与等)は全体から見れば未だに十分良い部類に入るし、よく聞く所ではベンチャー等への転職者は転職後に銀行の福利厚生の厚さに気付くと言われる。加えて言えばこれは自分が外に出て分かった事だが、例えば昇進の格差等はもっとドラスティックで一生平という社員も銀行より多く存在した。駄目になった社員を収容する「事務センター」の様なセクションも無かった。

 何故その様な待遇を得られるかと言えば、そもそも銀行員として一定期間以上働けている時点で稀有な才能の持ち主だからだ。ずっと無形営業をやってきた銀行員が有形の営業に移るのも難しいが、逆も然りで商品性で差を付けられない貸金や投信等の営業はそうそうできるものではない。また強烈なストレスに耐えながら、経営者と対等にビジネスが出来ている時点で既に選ばれた人間であるワケだ。敢えてその立場を捨てる必要があるのか。

 

【結局、最後は向いているか否か】

 ここまで取り留めもない話をしてきて、最後には、就活生向けと同じ議論に回帰することになるのだが、結局は求められる才能・スキルと自分自身がフィットしているか、ということに尽きると思う。私が転職後に求められたスキルは銀行員時代とはかなり異なる物だったし、同じく他業種から弊社に来た別の転職者で1年保たずに転職した方もいた。詰まる所銀行であろうが外であろうが、合わなければ無理という点においては同様で、その点は新卒も中年もフラットだ。

 前述の通り、銀行で一定期間やれたのであれば、その時点で銀行員にとしてフィットした才能やスキルの持ち主ということで、それを敢えて捨てていくのであれば、相応の理由があった方が良い。即ち持っているのが「転職先で求められる適正>>>銀行員としての適性」であるという事実だ。転職先で求められる仕事を具体的にイメージし、それは自分に可能か/向いているかを占い、個別の先ごとに判断するしかなく、各種待遇のでっこみ引っ込みはその結果でしかないのだと思う。

さいたま41スパ銭全評価(10月5日更新)

実はさいたまには温泉が多い。

はてブではさいたま県内全駅に降車して街をレビューすることを目指している(10月5日現在、142駅)が、その際街にスパ銭があれば入ってレビューすることにしています。(同日付41箇所)

fish-buddha.hatenablog.com

 さいたま記事の中では温泉は1~3点の簡易評価のみ実施したが、温泉についての評価項目はそれどころではない為、別記事でまとめ直す事を考えてこちらを作成するものです。評価項目について以下の様に設定

 

(綺麗さ:1~5)純粋な施設の綺麗さ。

(広さ:1~5)施設全体の面積や浴場部分の広さ。

(くつろぎ:1~5)休憩スペースの充実度。

(種類:1~3)浴場スペース内の温泉の種類。

(泉質:1~3)温泉の泉質。単に濃くて臭いが強いと高い。

(食事:1~3)食事の豪華さ。レストランの数が多いと加点。無いと0点。

(アクセス:1~2)都心からの近さ。

(価格:1~2)入館料の安さ。

(その他+:0~3)その他何か評価できる点があれば最大3点付加。

(その他-:-3~0)その他何か減点すべき点があれば最大3点減点。

 

 完全に独断と偏見ですが、くつろぎを大事にした結果、こんな感じになりました。さいたま駅と異なり、既に行ってしまった所の方が多い為、既に採点済の物から特に印象深い所から順に記事にしていきたいと思います。

 尚、本来サウナを評定に入れるべきなのですが、ワシが湯あたりしてしまいサウナ評価不可の為、サウナ評価をいただけるフォロワーさんを募集しています…

 以下個別

 

【熊谷天然温泉 花湯スパリゾート

合計 その他内容 ターゲット
29 岩盤浴充実1、フリードリンク1、露天庭園1 万人、一日過ごしたい方、カップ

29点単独一位を付けた名実共にさいたま最強の温泉。東京からのアクセスの悪さ以外に欠点がなく全方位で最強。温泉は100%源泉かけ流しで種類も圧倒的。特に圧倒的な広さの露天風呂は圧巻で、天気のいい日に行くと正にニルヴァーナだ。また岩盤浴スペースの圧倒的な充実度合いにより、本当に一日寛いで過ごすことができる。二人用岩盤浴スペース等もありカップルにも対応する。無敵。立地以外。

 

【天然温泉 花鳥風月】

合計 その他内容 ターゲット
28 サイボク隣接1、立体・洞窟露天1、食事特別1 旅行感を味わいたい方

飯能にあり、豚肉で有名なサイボクによって運営される温泉施設。十分な規模と美麗さを併せ持ち、特に広大な露天は大変魅力的。またサイボク運営である故にレストラン内の食事がサイボクの食肉を使っており、またクラフトビールの提供等もあって最高。立地以外。

 

竜泉寺の湯 草加谷塚店】

合計 その他内容 ターゲット
27 露天天井1 岩盤浴コーナーでゆっくりしたい方

草加、というか谷塚にあり駅からは遠いので車かバスによる来訪となる。全てがハイレベルでまとまっており、全施設の中でも特に清潔感がある。特徴はほたるの炭酸泉だが湯の種類も多い。岩盤浴コーナーと敷設のリラックススペースが充実しており、一日楽しむことが可能。食事も多品目で一々美味い。岩盤浴を利用しない場合の休憩スペースはしょっぱいのでその点は注意。

 

【おふろの王様 和光店】

合計 その他内容 ターゲット
26 くつろぎスペース1 万人向けに最強。特にカップル?

おふろの王様が10年ぶりとなる2021年12月に開店した日本でも最先端の温泉施設。そのクオリティは圧倒的で、これを超えるには圧倒的な広さや景色が必要となり、都市型の温泉でこれを超えるのは不可能なレベル。特に有料のくつろぎスペースは圧巻。ドーム型テントでカップルもゆっくりできる。飯も美味い。

【杉戸天然温泉 雅楽の湯】

合計 その他内容 ターゲット
24 岩盤浴&クールダウン2、館内着1 岩盤浴好きな方、カップ

24点。最寄は東武動物公園。某温泉ランキングで連続上位を取っているらしい。実際広大な敷地の中で種類豊富な温泉があり、泉質も良好。また岩盤浴が非常に充実しており、一日楽しむことができる。(男女でも入れる為カップルも楽しめる)デフォルトで館内着が付属するのも好感。またレストランではビュッフェを実施しており、これも内用良好であることで有名らしい。休憩処は庭園に面しており、入浴後ゆっくりクールダウンできる。

 

小江戸温泉KASHIBA】

合計 その他内容 ターゲット
24 岩盤浴・館内着デフォ2、混雑-1 子連れの型方等(ガヤガヤしてるので)

21年開業の最新温泉施設。特徴は950円で館内着・岩盤浴がデフォルトになっていることで、立地の悪さを考えても破格。温泉も広く泉種も豊富で環境良好。個室風の休憩スペースも個性的。食事は最新施設としてはやや安っぽいかも。総じて良いのだが、同じく最新のおふろの王様・和光店に比べると若干劣るイメージ。常時混雑しているのもマイナス。

 

【坂戸天然温泉 ふるさとの湯】

合計 その他内容 ターゲット
22   くつろぎを重視する方

22点。トラディショナルな、ザ・スーパー銭湯という感じの施設。特徴として浴場が2階部分にあり、露天スペースも広く高麗川や富士山を望む眺望が挙げられる。その他、とにかく休憩・くつろぎスペースが充実しており、一般のリクライナー・テラス・暗所・カップルシート・座敷と多種多様な種類・量があり、据置のコミックも充実。食事処も御前が充実しており、一人でふらっと来て、一日くつろいでいくにはうってつけの施設と言える。


【スパロイヤル川口】

合計 その他内容 ターゲット
21 混雑-1 ザっと楽しんでワッと食って帰りたい方

21点。最寄は南鳩ヶ谷。バリをイメージした南国デザインで浴槽の種類も豊富。泉質はしっかりした黒湯で温泉もちゃんと楽しめる。施設全体の雰囲気も良いのだが、集客に対して施設の面積が追い付いておらず、少々窮屈に感じてしまう一面も。岩盤浴を付けると専用の休憩スペースもあり良い感じの様だ。

 

【彩香の湯】

合計 その他内容 ターゲット
20 個室1 一般

20点。最寄はJR戸田駅。そこまで特徴的な施設でも無いのだが、敢えて上げるのであれば泉質の良さと都心からの近さ。荒川運動公園やボートレース場が近い事もあり、賑わっているが混雑し過ぎということもなく、近ければ平日にも足が向く手ごろさが魅力。全体にそこまで広くもなく、長時間滞在する感じでも無いが、都心型には珍しい貸室があるので、団体で行って宴会をするのもアリかもしれない。

 

【早稲田めぐみの湯】

合計 その他内容 ターゲット
20 泉質特別  泉質に拘りがある方

三郷にある温泉。公式が「本物の源泉に出会える」としており、その泉質は圧巻。さいたまにこんなあるの?というレベルでその辺の観光地のそれを楽勝で凌駕する。それが無加水、無加温、100%かけ流しなのだからもう何も言う事はない。その他の施設とかはあまり期待しない方が良いが、とにかく温泉の本文を全うしてくる。

 

【国済寺天然温泉 美肌の湯】

合計 その他内容 ターゲット
19 ホテル併設2 宿泊でゆっくりしたい方

ハナホテル併設の温泉施設。ホテルより前からあった様で、全体に古びている。温泉の種類も少なく、泉質も平凡。立地も深谷であり内容を考えるとホテルへの宿泊の際以外に行く事は無いように思われる。休憩スペースは昔あった様だが、今は女性専用フィットネスに化けており、湯上りの過ごせるのはホテルに泊まっていなければ食堂のみ。ホテルの風呂としては豪華かもだが、スパ銭としてはそこまででもない。

 

【さわらびの湯】

合計 その他内容 ターゲット
18 自然1 登山帰り

飯能の山奥にあり、近くでは渓流釣りやハイキングを楽しむことができる。山の中の露天等は魅力的ではあるのだが、如何せん規模が小さく浴槽は2つ。泉質も普通で、温泉単体としての評価は正直並。だがハイキングでかいた汗を流す快感は別格なので、その目的で来る所。畳敷きの広い休憩スペースには何か郷愁を感じる。

 

【熊谷温泉 湯楽の里

合計 その他内容 ターゲット
18   一般

最寄は秩父鉄道石原駅。加温循環式で湯量も乏しいのか訪問時には中庭の川の様なレイアウトの一部は枯れていた。露天自体は広いが全体的に浴槽が狭い。その他は平凡な感じ。休憩スペースは充実しているが、食事はほぼ麺のみ。行ったついでに寄るには悪くないが、敢えて行くほどの魅力は見出せなかった。

 

【真名井の湯 大井店】

合計 その他内容 ターゲット
16 塩素臭が酷い-1 一般

最寄はふじみ野駅。施設そのものがあまり広くなく、一応座敷はあるが湯上り後にくつろげる感じでは無かった。泉質に関しては「アルカリ性天然温泉」らしいが、サラサラしており、正直な所「それほどでも…」という感じ。そしてここで何より印象に残っているのが塩素臭さ。かけ流しとどこにも書いてないので循環なのだろうが、明らかにそれと分かるレベルで塩素臭くプールに来たのかと思った。

 

【湯の華越谷】

合計 その他内容 ターゲット
14 ハッテンの噂-1 ハッテン♂

14点、温泉の種類等は多少充実しているものの、清潔度という観点では37温泉中で最下位。内装の塗装が普通に剥げている上に、一番最悪だったのがミストサウナに入ろうとしたら、ドアを開けた瞬間に悪臭が立ちこめて即閉めた。またインターネットで検索するとハッテン場であるとの噂があり、あらゆる観点で残念。最下位13点とした2か所は非温泉(沸かし)の為、温泉としては最下位となった。

 

【スパ&フィットネス 健美】

合計 その他内容 ターゲット
13 非温泉-1 ジム利用?(マシンはかなり残念)

久喜にある温浴施設。湯の種類はそこそこであるが、一つも温泉ではない。一部に薬草風呂がある程度。また湯上りに休む場所がまともに無く、即帰らなければならない。一応、施設の特色として、一部にマシンが設置されており、筋トレができる様子がだが、見た所マシンの内容も貧弱でしかも月会費での利用しかできない。コンセプトは悪くないが残念な施設。

命懸けのアドバイス

【真摯なアドバイスはしない方がいい】

 真摯なアドバイス、してます?

 ワシは大体なんか調子の良い事を言ってその場を収める事を優先してしまうので、真摯なアドバイスをすることは少ない。と、いうのも、本当に真摯なアドバイス=真剣に相手の為を思ってするアドバイス、は常に客観的で相手にとって最良の答えを返す必要があるが、それは多くの場合、身も蓋も無い答えになると思われる。例えば「東大に行きたい」という相談相手に対する答えは95%以上の確率で「やめとけ」が正解になるし、その答えを聞いた相談者の多くは機嫌を悪くして、最悪逆恨みされることになる。

 

【誰に対してなら真摯なアドバイスをして良いか】

 自分が相談される側だった場合、誰に対してなら真摯にアドバイスすべきかと言えば、相手が以下の2ケースに当てはまる場合だと思う。

①:状況を客観視して、真摯なアドバイスが真摯であることを理解できる相手

②:逆恨みされることになっても大事にしたい相手

要は冷静な相手で逆恨みの危険が無い事が事前に分かっているか、そんなことどうでも良いくらい大事な相手であるかで、それ以外の相手に対してであれば、「うんうんそうだったね辛かったね。逃げたって良いんだよ」とか言っておいた方が結果的に正解な事が多い気がする。

 

【やるなら前向きにやるしかない】

 真摯なアドバイスをすると腹を括ったらやるしかない。ただ目の前にいる高3の夏で偏差値48の相手に「東大なんて行けるワケねぇだろ!!!バーカ!!!!!」と言ってみた所で、それが事実であったとしても多分彼(女)の為にはあまりならない。真摯になった結果、否定から入らざるを得ないのであれば、結論の部分では前向きに出来る様に考えるのが大事だと思う。「小論と世界史は得意じゃん。そしたらここなら目指せるんじゃないの?」みたいなアドバイスをして、次に向かうべき方向を一緒に考えてあげられるとベスト。

 

【事前に徹底的に聞け】

 真摯なアドバイスは一発勝負で結果も重大なので、あまり軽々に結論を出すべきものではない。だからいきなりアドバイスに入らず、状況を徹底的にヒアリングした方が良い。それは例えば今の状況だとか、悩んでいる点は元よりファンダメンタルについてもよく聞くべきで、例えば上の話をよくよく話を聞いてみると、東大がどうの以前に他にトンでもない才能があり、野球選手を目指すべきだったとか、そういうケースが割とよくある。大体一時間も話を聞いてると「あー、〇〇だな」と問題点が浮き出て場合が大半に思える。

 

【相談する相手は選ばないと死ぬ】

 ここまでは真摯なアドバイスを受ける場合の話を書いてきたが、ここからは自分がアドバイスして欲しい場合について書いてみる。自分が受ける場合には、上記を踏まえて何を言われても絶対に怒らない、まして逆恨み等あり得ない事は大前提であるが、同時に相談する相手をよく選ぶ必要がある。東大に行く相談を偏差値45の友達にしてみた所で多分期待する答えは得られないからだ。真摯な回答を求めれば求める程、適任者かつ自分の事を本当に心配してくれそうな相手でなければ、むしろ相談の結果自分が破滅してしまう。

 

【真摯な相談のやり方】

 相手選びに続いて、状況の正確かつ悉皆での説明は前提条件だ。例えば模試の前日に見た所がたまたま出題されて、点数が上がっていた、とか、土日バイトに出ないと学費が払えない、とか。そうした自分の中にはあるが、相手が当然の前提とはしていないことは、能動的にこちらから情報を出さないと、正確なアドバイスはできない。むしろ本人が関係無いと思っている所にこそ答えがあったりするので、相談する直接の内容は元より、自分の物の考え方だとか感じ方だとか、やり方、最近あったトピックスに至るまで、出す情報は多ければ多い程良い。相手が聞いてくれる範囲で。

 

【貰った答えは大事にする】

 真摯な相談の結果、貰った答えが必ずしも今の自分に適合するかは分からない。何故なら相手に自分のバックグランドであるとか、例えば余力や精神状態みたいなものを完全に伝えきることはできないので、それを前提にしない、実現不能な回答を貰ってしまうこともある。それはそれとして仕方ないので、まずは自分の為に時間を使い精神をすり減らして真摯なアドバイスをしてくれた事に圧倒的に感謝する。そして、相手がその様なアドバイスを出してきた事の本意を考え、直接実践できないとしても、貰った答えから吸収できるものはしきりたい。